就職・転職活動において根強い人気を誇る公務員。
今回は静岡市の職員採用試験を中心に、試験内容や対策について解説をしていきます!
公務員試験の日程について
公務員の採用試験は毎年ほぼ同日程で行われています。
具体的には、国家公務員総合職は4月下旬頃、都庁、大阪府は5月頃です。
また、その他の公務員試験は一般的に、A日程、B日程、C日程、と自治体の規模に応じた日程設定がされており、一部自治体ではこれらの日程とは別日に独自日程を設けています。
さらに、辞退者が多い自治体や合格者が募集人数に足りていない自治体では、再募集を行うこともあります。
(上記の日程区分については主に大卒程度を対象にした試験について用いられます)
A日程(6月下旬頃)
A日程では、府、県といった広域自治体及び政令指定都市職員の採用試験が実施されます。
上述のとおり、東京・大阪は独自日程を組んでおり、また、北海道についても札幌市との日程調整の関係により試験日を変えています。
その他、横浜市などの規模の大きい政令市も独自日程を行う傾向にあります。
教養試験だけではなく、専門試験が重要になるのが他の日程と大きく異なる点です。
B日程(7月下旬頃)
政令指定都市ではない自治体の多くがB日程に行われています。
多くの自治体はB日程又はC日程で採用試験を行っています。
C日程(9月下旬頃)
B日程より規模の小さい自治体は、C日程で採用試験を行っていることが多いです。
しかし、単純に市町村の規模によって決まっているわけではないようです。B日程と同規模の自治体であってもC日程で行われていることがありますので、注意が必要です。
試験の採用区分について
市役所職員の採用では、全国の自治体で様々な採用区分が設けられています。
一般的にイメージされる市役所職員は事務職であり、一般行政職等と呼ばれることもあります。
事務職には大枠下記のような採用区分が設けられていることが多いです。
- 高卒程度
- 短大卒程度
- 大卒程度
- 大学院卒程度
- 社会人経験者枠
それぞれ試験区分の受験資格は自治体によって異なり、大卒であっても高卒程度枠試験を受けられるか、大学院卒程度試験を受けられるか等、受験資格をよく確認する必要があります。
静岡市職員採用試験の日程
それでは、静岡市職員採用試験(事務)の日程について見ていきましょう。
2019年度の高卒、短大卒試験については、下記の日程で行われる予定になっています。
高校卒程度:申し込み期間8/2(金)~8/16(金)
短大卒程度:申し込み期間8/2(金)~8/16(金)
1次試験 | 筆記試験 | 9月29日(日) |
面接等試験対象者決定 | 10月9日(水) | |
面接等試験 | 10月12日(土)~10月18日(金)のうち1日 ※事務はグループワーク | |
合格者発表 | 10月23(水) | |
2次試験 | 筆記試験 | 11月2日(水) |
面接試験 | 11月5日(火)~11月19(火)のうち1日 | |
最終合格者発表 | 11月下旬 |
大卒程度(A区分・B区分):申し込み期間5/7(火)~5/28(火)
(2016年より大卒程度区分についてA区分・B区分に分かれており、教養試験での受験又は専門試験での受験を選択することができるようになりました。)
1次試験 | 筆記試験 | 6月23日(日) |
グループワーク試験 | 7月8日(月)~7月29日(金)のうち1日 | |
2次試験 | 筆記試験 | 8月3日(土) |
適性試験 | ||
個別面接 | 8月5日~8月28日(水)のうち1日 |
大卒程度(創造力枠):申し込み期間5/7(火)~5/28(火)
多くの自治体で採用されている民間志望者をも対象にした試験です。社会人経験者も受けると思われますが、採用人数は上記A区分・B区分に比べて少なくなっています。(2019年度は”若干名”募集)
1次試験 | 基礎能力試験(SPI) | 6月23日(日) |
論文試験 | ||
適性検査 | ||
2次試験 | プレゼンテーション面接試験 | 8月17日(土)又は8月18日(日) |
民間企業等職務経験者:申し込み期間5/7(火)~5/28(火)午後5時
2019年度の募集職種は心理、技術(土木・電気・機械)、精神です。
静岡市職員採用試験の筆記試験対策
2019年現在、静岡市の職員採用試験については、教養試験のみで受けられるものと、専門試験のみで受けられるものがあります。
一般的な公務員試験では、教養試験と専門試験の両方をバランス良く勉強していくことが大切になりますが、静岡市では自分の得意科目を得点源に筆記試験の突破を狙っていくことになります。
以下、私の受験経験をもとに、教養試験と専門試験に分けて筆記試験のポイントを解説していきます。
教養試験(A区分)
教養試験メインの試験形式の場合、文学部や社会学部、理系学部、民間企業との併願組の受験が多くなると思います。
というのも、公務員試験の専門試験は法学部や経済学部に有利なものとなっているため、専門試験には自信が無いが、教養試験に自信があるという方が多くなると考えられるからです。
試験科目としては、やはり数的処理が重要になります。
数字に弱い方であっても避けて通ることはできないため、多くの時間を割いて取り組む必要があります。
また、単純な数学問題とも異なるため、数的処理の出題形式に合わせた解法の習得が必要になります。
つまり、単純に数学が得意な方であっても必ず対策が必要になる科目となります。逆に言えば、計算が苦手な方であっても時間をかけて取り組むことで、しっかりと得点源にしていくことができると思います。
また、どうしても数字・計算が苦手という方であっても、判断推理など比較的数学色が薄い分野については最低限得点できるようにしておくことはマストだと思われます。
英語や文章理解については多くの受験生が得点源にしているため、あまり差がつきません。
専門試験(B区分)
専門試験に特化した試験区分を採用している自治体は、多くないと思います。
そのため、当初から公務員第一志望と目指している方よりも、「大学での勉強や資格試験の勉強を活かして受験したい」という方が多いのではないかと思います。
具体的には司法書士や司法試験(法科大学院)、公認会計士などの資格試験を受験されていた方が有利になると思います。
上述のとおり、公務員の専門試験は法学部や経済学部に有利な科目が多くなっています。
特に法律科目については憲法・民法・行政法を理解していれば、それだけで専門試験は事足りてしまいます。
反対に、憲法や民法、行政法などの法律系科目、ミクロ経済、マクロ経済などの経済系科目いずれについても全く知らないという方が専門試験型で受験することは、
他の受験者に比べて勉強開始の段階で既に差がついていることも考えられます。
受験に際しては慎重な判断が必要になるでしょう。
静岡市職員採用試験の面接対策
個別面接については、民間企業とあまり変わらないと思います。
なぜ静岡市で働きたいのか、という点が重要になると思います。
公務員受験生は「公務員であること」を重視してしまい、公務員(あるいは行政職)を目指す理由は説明できていても、
それぞれの自治体に合わせた面接対策は疎かにしてしまいがちです。
とはいえ、正直なところ市役所の仕事はどこでも大きな違いは無く、仮に個性的な施策に力をいれている自治体であっても、
実際に担当する業務のレベルでは結局は他の自治体とあまり変わらないことが多いと思います。
しかし、採用試験においては論破することや事実を並べることよりも、相手を納得させることが第一優先になります。
静岡市で働きたい理由と熱意を面接官に上手に伝えられるような回答を準備しておく必要があります。
また、静岡市職員の採用試験では、グループワーク試験を取り入れています。最近では多くの自治体で取り入れられていますが、やはり実際の業務に従事した時にどう動くかをイメージしやすいため、採用する側としても参考にしやすいと思います。
就活本などでは、どういう振る舞いをするか細かく書かれていることが多いと思いますが、正直面接官は細かいところまでは気にしてないと思います。
- 状況に合わせた言動ができること
- 能動的に動けること
- 多角的な視点を持っていることなど
がポイントになると思いますが、③については筆記試験が十分得点できていない、いわゆるボーダー付近の受験生にとっては重要になるかと思います。多くの受験生は①②でしっかりと及第点が取れていれば心配ないと思います。
あとは、みんな緊張しているので落ち着いて取り組むことができれば、周りと差をつけることができると思います。
また、私が聞いたところによると、社会人経験者については、前職での業務内容、退職理由、志望理由、職務経験をどのように活かせるかなど、基本的には学生に対する質問と変わらないようです。
これは面接官の立場になって考えてみれば当然で、知りたい内容は、どうしてうちに来たのか、どのくらいのポテンシャルがあるのか、これに尽きると思います。しかし、学生と大きく異なる点は、即戦力としての期待が大きいという点にあると思います。
学生であれば多少ズレた回答をしてしまっても、緊張や不慣れを理由に大目に見てもらえると思いますが、社会人経験者である以上、やはり理路整然とした回答が求められるでしょう。
最後に私が実際に聞かれた質問を載せておきます。やはり、基本的な質問にしっかりと答えることが重要になると思います。
面接で実際に聞かれた質問
・自己PR
・静岡市を志望した理由
→なぜ基礎自治体なのか(県庁を志望しない理由)
→静岡市である必要性
・大学で取り組んだこと
→具体的な取り組み内容、役職
→どのようにして業務に活かせるか
・卒論の内容について
→どのような内容についての論文か?
→さらに具体的な内容の説明
・公務員試験対策の勉強期間
→どのくらい勉強をしたか?
→予備校は利用したか?
・採用後にしてみたい業務とその理由
→担当したい部署、その理由
→希望業務について静岡市が置かれている状況
・併願状況
→民間は受けているか?
→他の自治体の選考状況は?
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